「略奪愛」7〜ぼくが彼を奪い、彼がぼくを奪った〜

〜前回の話〜



『ぼくたちなら
 きっと大丈夫だよ!

 ぼくも会って抱きしめたい。
 抱きしめて安心させてあげたい』


彼からのLINEを見て
安心したぼくは涙がでてきた。



「怖いけど、不安だけど
 彼と一緒なら大丈夫…」




そう思いながらぼくは
抜け出せない沼に少しずつ
沈んでいくことになった。




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それからというもの

ぼくは
彼とは会えば
ホテルに行って彼を抱いた。



ぼくが彼に『好き』と言えば
彼もぼくに『好き』と言う。


彼がぼくに『大好き』と言えば
ぼくも彼に『大好き』と言う。




ぼくたちは
紛れもない「相思相愛」だった。






誰から見ても報われず
罪を背負ったぼくたちは

何度も何度も体を重ねて
深い愛情を培い
茨の道を2人で歩いた。





ぼくの中にあった
「罪悪感」という「良心の呵責」は
いつの間にか薄れて


ぼくは恋人に対して
何も感じなくなっていた。

ぼくたちは
ひと月に2回ほど会う
頻度だったが


いつの間にか
ひと月に4回に変わり
毎週彼と会っていた。



連絡も頻繁にとっていた。






そんな時に彼から
『今度さ、ぼくの恋人と一緒に
ご飯行こうよ。

なんか恋人が君のこと気になってて。
「いつも遊んでる人が気になるー」
とか言ってて。

だから君も恋人連れて
4人でご飯行こ?』

とLINEがきた。






ぼくにとっては
「青天の霹靂(へきれき)」
「寝耳に水」状態である。





『断るのも変だよね。
もし、4人でご飯に行くなら
彼との事をバレないようにしなきゃ。
ちゃんと友達としてれば大丈夫だよね』




「大丈夫だ」と
自分に言い聞かせて


『うん、いいよ!
うちの恋人にも言っとくよ!』
と彼に返信をした。





恋人には
『友達カップルにさ、
ご飯に一緒にどう?
って誘われたんだけど
一緒に行く??』

と伝えて


恋人は二つ返事で

『うん、行くよ!
そんなこと言うの珍しいね』
と恋人から言われた。





ぼくは
『誘われたから
一応、言っておかないと思って』
と恋人に言った。




恋人はぼくに
『ありがとう!楽しみにしとくよ!』
と言った。


約束していたご飯の日になり
ぼくと彼、
お互いの恋人同士
4人の初対面が始まった。





お店に到着して
ぼくと彼が恋人を連れて合流。

席に座り
お互いに恋人を紹介する。





話は自己紹介から始まり
お互いのカップルの馴れ初め話や
休日の過ごし方、


同棲している同士なので
一緒に住んでみて
互いに大変だったことや


「ここが良かった」など
互いに話が盛り上がり


とても良い雰囲気で
その日を終えることができた。






『今日楽しかったね!』
と恋人はぼくに言った。




その言葉はぼくには複雑で
恋人が楽しかったから嬉しい反面、


仲良くなったら
「今後も4人で遊ぶ機会が増えるのかな」
と思うと気が重たかった。






さらに目の前で
彼と彼の恋人が並び
仲良くする姿を見ると


とても
心が苦しかった。





2人は付き合いも長く
仲が良いのは知ってる。



でも、
好きな人(彼)と恋人が仲良くて
お互いに笑う姿を見ると
どうしようもなく


憎悪がグツグツと
ぼくの心の中で煮えたった。





『ぼくだけの彼なのに…』
彼に恋人が居ることは知っていた。
仲が良いことも知っていた。





でも、
恋人が居る人を好きになると
こんなにも苦しいことは
知らなかった。



お互いのカップル4人で
食事に行った日から半年ほど経つ。



その間に
彼との関係は変わらず
お互いに愛し合った。




どうしようもなく
お互いが好きで

どうしようもなく
ぼくは苦しかった。




ひと月に1度の頻度で
4人で食事に行ったり

互いの家に行き
ご飯をご馳走したり
ご馳走になったり


カップル同士の関係は
仲を深めていった。






そんなある日のこと
4人で遊んでいると
彼の恋人から
ある提案された。




『今度さ、4人で旅行に行こうよ!』
と彼の恋人が言った。


『うん!いこいこ!どこにする?』
と乗り気なぼくの恋人。




話はどんどん進み
旅行の日程や場所が決まり、
ぼくたち4人の
波乱の旅行が幕を開けるのだった…。

※この物語は半分フィクションです

続きを
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