初めての付き合い19〜アイデンティティの形成37〜




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うっし

「温かい部屋」

5月になりぼくは
「相談室」と書かれた部屋に
ノックをする。



「はい、どうぞ」という
女性の声がする。



「失礼します」とぼくは
口角が上手く上がらず困惑した表情
震える声を発して部屋に入る。



部屋の中に入ると
アロマの安らぐ香り

大学のイメージキャラクターの
大きなぬいぐるみ

どこかしら落ち着く雰囲気のある部屋に
ぼくは気が緩んだ。



「どうぞ座ってください」と
ニッコリ笑顔で
相談室の女性先生はぼくに伝える。



これからの数年間
幾度となく通い続けたこの部屋。



ここでぼくは自分の
「アイデンティティ」を見つけることになる。





うっし

「何度目かの訪問」




初日は相談室に入り
先生と面談をするもぼくは
ここ1年間に起こった
大学での出来事を中心に話し

次第にぼくは
「付き合っている人がいる」と伝えて
その恋人のことを話し始めた。



「高校の卒業式あとから付き合ってる」や
「語学の勉強をしている」と
彼のことを性別を伏せて話をした。



初めて話せる恋人のことに
ぼくは嬉しくなったが

その反面
罪悪感が塵のように
少しずつ積もっていった。



うっし

「初めての告白」




ぼくは
先生にだけは
嘘をつきたくなかった。



自分が罪悪感に
耐えきれないこともあった。


だから
「今日こそは
『付き合ってる人は男の人なんです』
 と言うぞ!」

と思い面談するも
何度もぼくは言えずにいた。



そして夏休みに入る前のこと

ぼくは面談で
話のキリが良い時に
「先生に聞いて欲しいことがあるんです」
と伝えた。



そして

「実はぼくは…」

そこまでは言えたが
続きが喉に引っかかって出てこない。



「ぼくは…」
そう言うと
急に怖くなって俯いてしまった。





うっし

「初めての告白2」




沈黙が続く部屋には
ぼくと先生が机を挟んで座り
向かい合っていた。


ぼくは俯いていた。


5分ほど経っただろうか。
膝の上に置いた拳を
何度握り締めたことだろう。


そしてぼくは
沈黙を破り再び

「実は…男の人と…
 付き合ってるんです。
 恋人って話してた人は実は男の人なんです」

 と震えた声で先生に伝えた。



先生の顔を見るのが怖くて
ぼくは机を見ながら伝えた。


どんな表情をしているのだろうか。


伝えるまでも長かったが、
先生からの返信も長く感じた。



「うん、そうだったのね。」
と言われてぼくは
先生の顔を見た。


「言ってくれてありがとうね。」
さらにそう言われて

ぼくは緊張が解けたと同時に
涙が溢れて止まらなかった。



今まで誰にも言えずに
一人で抱えていて
そのことが辛いと頭では考えてなかった。



でも心は辛かった
苦しかった
という事にその時に気付いてしまった。



だから余計にぼくは
「今まで我慢してきた」と実感して


「やっと誰かに伝えることができた嬉しさ」に
涙してしまった。





おまけ



今でもそうなんですけど
いくら中の良い友達でも
「カミングアウトしよう」とは
ならないんですよね。


自分と友達との関係の中で
彼のことを伝えても
友達には関係のないこと?だし

彼のことを伝えなくても
友達との関係は変わらず続いていくので
波風?たてることもないのかなと思うことが
しばしばあります。


親に対しても同じで
「伝えたところで相手に負担になるのかな」と
思って伝えないんです。

伝えるのも伝えないのも自由だけど、
相手のことを考えると
どうしても言えないし
言わずにこのままでも大丈夫と思うんです。


だから、
共感できる人と分かち合って
その範囲で生きていけたらいいのかなと
今は思って生きています。

大きなことは望まず
小さな「今」を毎日積み重ねて生きています。




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