今までの記事はこちら↑
前回の記事はこちら↓
シェアハウスの友人に話をして
ぼくが「会社を辞めよう」
と決断をした日は
日曜日の夕方だった。
シェアハウスの友人は
「とりあえずここ(シェアハウス)には
避難してきて大丈夫だからね」
とぼくに言った。
そこからは
「辞める!逃げる!」という
気持ちからの衝動が
ぼくをつき動かした。
すぐさま
自転車に乗り会社に向かった。
ぼくは
休日の上司の行動は大体把握している。
•休日はギャンブルに出かける
•休日には会社に行かない
•社宅に帰るのは夕方18時以降
•夜の23時ごろ寝る
①会社に行って荷物整理をする
②社宅で必要最低限の荷物をまとめる
③上司が起きている時に社宅を出ると怪しまれる
気づかれてしまう。
そのため23時以降に、上司が寝てから社宅を出る
この順番で行動することを決めた。
☆☆☆
①会社に行って荷物整理をする
ぼくは会社の玄関の鍵を開けて
社内に入った。
誰もいない社内
夕日に照らされたフロアを見渡しながら
東京に来た時のことを思い出した。
初めての自分のデスクが
とても嬉しかった。
憧れの東京で働けて嬉しかった。
自分の憧れが叶うことが
幸せと感じることができた。
そしてパワハラされたことを思い出し
「いっぱい痛かったな」と思い
ぼくの気持ちが沈んだ。
「万が一にでも会社に上司が来たらヤバい」
と思い
急いでデスクの書類を
ゴミ箱に入れて
筆記用具などの自分のものは
カバンに入れて
デスクの上を拭いて
自分なりに会社とのケジメをつけた。
もう来ることはない会社の鍵を閉めて
ぼくは自転車を漕ぎ
社宅へ向かった。
☆☆☆
②社宅で必要最低限の荷物をまとめる
荷物は印鑑、通帳、衣類、パソコン
ぼくは必要なものだけスーツケースに詰めた。
とにかく「逃げる」ことだけを考えた。
きっとぼくは感覚が麻痺していた
気持ちが壊れていた。
「逃げる」ことを考えると
ワクワクして高揚感があった。
同時に
「上司にバレたらヤバい」と思うと
ドキドキして苦しかった。
☆☆☆
③上司が起きている時に社宅を出ると怪しまれる
気づかれてしまう。
そのため23時以降、上司が寝てから社宅を出る
19時ごろ社宅のぼくの隣の部屋に
上司が帰ってきた。
ぼくは息を潜めて過ごした。
23時ごろになりベランダに出て
隣の部屋を見て
明かりが消えていることを確認した。
そしてぼくは
隣の部屋で寝る上司を起こさないようにと
音を立てないように静かに玄関へ向かった。
「バレたら殺される」
そう思うと怖かった。
エレベーターを待つ時間が
もどかしく苦しかった。
24時に針が進むころ
ぼくは自転車に乗り
片手にはスーツケースの取っ手を握り
全速力で自転車を漕いだ。
「ガラガラガラ!ゴロゴロゴロ!!」
スーツケースの車両が悲鳴をあげた。
だけど
気にせずにぼくは走った。
昼間と比べて
閑散とした都会の大通りを
自転車を漕ぎスーツケースを引き
ぼくは必死に逃げた。
そしてぼくの
「憧れの東京」は終わりを迎えた。
まだ寒い
2月中旬のことだ。