「いざ彼のもとへ」
朝になりぼくは
家族に別れを告げて
電車に乗った。
「高校生の時に見ていた
この電車の景色を
しらばくは見れないのか」
と思うと
地元を離れることが
少し寂しくなった。
幼少期や中学・高校のこと
今までの思い出がゆっくりと溢れ出す。
少ししんみりとしながら
ぼくはメール作成画面を開き
今日地元を離れることや
「いってきます」と
「夏色の恋」の幼馴染に送った。
「新幹線が発車する」
ぼくは
新幹線に乗り換える駅に到着する前に
窓越しに思い出の「歩道橋」を見た。
ぼくたちが共に過ごし
温めあったあの場所に思いを馳せた。
「もう一度、2人で行くことはないのかな」
なんて思っていた。
そう思っていると電車は駅に着いて
ぼくは彼と何往復もしたエスカレーターを登り
改札口を通る。
今日は泣かなかった。
1人で新幹線に乗ったことが無かったため
何度も乗り場の番号と席番号を見た。
座るまで不安だったが
座ったら安心した。
そしてベルが鳴りぼくが
ドキドキしている間に新幹線は発車した。
「寂しさが込み上げる」
幼馴染からメールがきた。
「今日、東京に行くんやね!
頑張っていってらっしゃい!」と。
そのメールがぼくに
地元を離れる事を実感させた。
そして歌を聞いた。
この歌を聞き
2人で行った場所を思い出して
だんだんと二人で過ごした場所を離れることに
寂しくなって1人泣いていた。
(隣の席には誰もいませんでした笑)
そうしてぼくは
高校生時代を振り返り乗り越えていった。
「中央線にきてなー」
新幹線に乗るのは
埼玉の大学にオープンキャンパス
試験に行く時ぶりなので2回目だ。
窓からみる景色が新鮮で
ぼくは泣き腫らした目で
過ぎゆく景色を見た。
行き先は彼からもらった
メールに書いてあった
「東京駅」の中央線ホームだ。
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