うっし
「ある夕方」
ぼくは一年生の夏から
スーパーでアルバイトを始めた。
大学終わりに夜の4時間ほど働き
時には土日も入った。
(そういう契約だったため)
そんなバイトが始まり
3ヶ月ほど経ったころの
10月半ばの夕方のことだった。
ぼくはある歌を聞いた。
「君が好き」
大学が終わり
16時過ぎに部屋に帰った。
夕陽が暮れる時間が早くなり
少しずつ涼しくなり
秋に近づく季節を感じてたころ。
ぼくはふと
Mr.Children「君が好き」
を聞いてみた。
『君が好き
僕が生きるうえで
これ以上の意味はなくたっていい』
その歌詞にグッときた。
それと同時にぼくは涙した。
彼に会いに行けない状態が辛かった。
だからそこぼくは決めた。
「彼に会いにいこう!」と。
「南に進め!」
ぼくには自転車があった。
それがあれば彼のところまで行ける、
なんの確証もないのに自信が湧いていた。
(10代の特権なのかな笑)
ぼくは
「行ってやる!」と思い
「泣いてる場合じゃない」とも思い
すぐに家を出た。
スマホの地図を見ながら
自転車を漕いで漕いで
必死で漕いだ。
恋は人を強くも弱くもする。
今ならそう思う。
「埼玉と東京」
ぼくの部屋から
彼の部屋まで1時間33分。
「これなら電車と変わりないや!」
なんて思いながらぼくは
会いたい思いを力に変えて進んだ。
コメント