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何回も乗った夜行バス…
「これが最後になるのかな」と考えると
少し寂しいような嬉しいような
なんとも言えない気持ちになった。
辺りは次第に明るくなり
夜行バスは
いつものように新宿に到着した。
平日の
足早に急ぐ人たちの
忙しない空気とは変わり
今日は人がまばらに歩き
急いでいる人がいない休日だ。
(土曜日です)
『やってきたぞ!東京!』
そんなことを思いながら
ぼくは眠たい目をこすり
企業(これからは会社と記す)の
上司が待つ社宅を目指す。
東京の電車に乗り慣れていなくて
戸惑いと嬉しさがあった。
社宅に到着して上司から鍵をもらい
部屋に入る。
「これからはここがぼくの部屋だ!」
ちょっとばかり
誇らしい気分になった。
何もない部屋で
これから始まる新生活、
まだ何もしていないけど
期待に胸がふくらみ
気持ちはお腹いっぱい胸いっぱいだった。
彼と過ごした部屋を出る前に
送った段ボールは夜に届き
荷解きをしてその日を終えた。
☆☆☆
翌日になり
目を覚ますと隣に彼が居ない。
その違和感と同時に
携帯電話を見ると
彼からメールがきていた。
「おはよう!明日からの仕事頑張ってね!」と。
彼とは連絡を取り合い
離れても変わらない仲でいた。
☆☆☆
仕事を始めて1ヶ月は
覚える事がいっぱいで
毎日がヘトヘトだった。
いつの間にか
気がつけば年末になっており
年越しは彼と一緒に過ごした。
エビの天ぷらが乗った年越しそば。
年越しのカウントダウン。
正月の雑煮を
仕事のことを忘れて楽しんだ。
仕事は順調、
彼との関係も順調、
なんでも全てが上手くいく気がした。
そんなことを思いながら
ぼくは彼と年末年始を過ごした。
☆☆☆
正月が終わり
再び東京へと戻り仕事が始まった。
平日は仕事に励み
休日にはシェアハウスに行き
楽しく過ごしていた。
そんななかでぼくは
上司から注意される事が増えてきた。
そしていきなり、
「お前には悪いものが憑いている。きばれ!」
と言われて肩を竹刀で叩かれた。
それが全ての始まりであって
全ての終わりであった。
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