「続く日々」
彼と離れてからも
ぼくの生活の日々は続く。
学校に行って授業を受けて
相談室に行って
サークルに行って
バイトに行って
毎日はゆっくりと
そして確実に1日ずつ進んでいった。
それでもぼくにとっては
1人になる時間は少なく
充実した日々となった。
充実していたからこそ
彼のことを考える時間が
次第に減ってきて
本当にぼくには
彼氏がいるのか
よく分からなくなっていた。
居るのに居ない感覚。
手が届かない感覚に
慣れてきていたのかもしれない。
「年を越す前に」
12月の終わり頃になって
彼からメールが着た。
「留学辞めて
日本の大学に行くことにするわ。
だから1月に
試験受ける時に部屋に行くわ」と。
ぼくにとっては晴天の霹靂(へきれき)
いきなりのことで
事態が飲み込めなかった。
「雪が積もる試験日」
1月の大学の試験日が近づき
彼がぼくの部屋にやってきた。
試験の前日に来て
翌日に試験を受けるらしい。
夜のニュースでは
明日の東京は
夜から降り出した雪が積もるとのこと。
休日に降る分にはロマンチックだが
実害があるとなると
実に忌々しいものへと感じる。
試験日当日
彼は雪道を歩き駅へ向かい
そして試験会場へと向かった。
「そして再び」
試験が終わった翌日には
彼は実家へ帰って行った。
ゆっくりする暇もなく
彼は帰って行った。
何をするにも一人で決めて
決まったあとにぼくにいきなり知らせてきて。
だからぼくは
「留学終わることも
大学に行くことも
ぼくが何も知らんうちに決まっててさ。
少しぐらい相談してくれてもいいやん?」
と試験が終わった夜に彼に言った。
すると、
「言ったところでどうなるん?
決めるのはおれやから。
相談してもなんも変わらんやん」
と言われてしまった。
恋人ってそんなものなのかな…。
彼が留学をしていた頃よりも
僕たちの距離が遠いものに感じてきた。
おまけ
季節は夏から冬になりました。
遠距離になれることはないのだろうけど、
それでも次第に泣かなくなる日が増えて
彼のことを考える日々が減って
ぼくは彼のことを感じることが
次第に薄くなってきて。
遠距離恋愛に慣れてきたからか
日々に集中して過ごすことは
良いことかもしれないけど、
彼の存在が感じ取れなくなるなってきたことは
どこか悲しいよね。
「確かにいるはずなのに
手を伸ばしても届かない。
届かないからどうしようもない。
本当に存在するのか
わからなくなってきた」
ぼくと彼は今後
どうなっていくのかな?
という不安を
心のどこかで感じていた時期
なのかもしれないです。
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