「彼からのプレゼント」
甘くて塩っぱいケーキを食べたぼくに
彼は丁寧に紙に包まれた
長方形のものを渡した。
泣きながらぼくはテープをとり
包まれている紙を取る。
すると「iPod nano」が出てきた。
「なんか、いつもケータイで
音楽聴いてるみたいやから
これで聞いた方がええで」と彼。
彼からもらったプレゼントは
とても嬉しくて
毎日彼の部屋に行く時に使った。
(でも半年もしないうちに
洗濯機に入れて壊してしまうのです笑)
「悔いても時間は止まらず」
「時間が止まってくれたらな」
「このままずっと一緒に居たい」
何を思っても祈っても
ぼくは自分の願いは叶わず
その無力さに嘆いた。
泣いても時間が止まるわけではないのに涙が溢れ
想像が膨らみ止まらない。
もう誰もぼくの溢れる想像
気持ちを止められないし
彼の進路を阻むものは何もなく
ただただ進み続ける。
彼からもらった
iPodの歌に気持ちを乗せて聴き
ただ毎日を駆け抜けた。
この歌を聴いていました
「もうこれで最後かな」
「待ってくれ」と思うほど
時間が進む速度が早く感じた。
いつの間にか
3度目の春を迎えようとしていた3月。
1週間後には彼は実家に帰ってしまう。
だからぼくの部屋に来るのは
今日で最後になるだろう。
「もうこれで最後なんかなぁ」
ぼくは彼に言うと
「留学に行くまではこれで最後やな」
と言われた。
もう最後…
カウントダウンが終わる寸前だった。
「ずっと一緒に」
ぼくは彼に
「離れててもずっと一緒だよ?」
と伝えた。
離れていても
気持ちは未来に向かって
同じ方向を向いていたい。
しかし彼からは
「ずっと一緒なんて約束はできない」
と言われた。
ワケが分からない。
ただ「ずっと一緒だよ」と
言って欲しいだけなのに
その言葉を聞いて
安心したいだけなのに
彼にはぼくの想いは届かなくて
彼の胸で泣いて困らせた。
おまけ
「ずっと一緒だよ」という言葉は
重かったのかな?
と当時のぼくは思っていた。
でもさ、
きっと遠距離の不安を少しでも
和らげるためや
ぼくの本心を言っただけだから
それを受け止めてくれなかったのも
悲しかった笑
「約束はできない」という
現実的な気持ちもわかるけど・・・(。・ω・。)
さて、
次回はいよいよ彼がアメリカに行き
遠距離恋愛がスタートします。
ぼくと彼はどうなってしまうのか。
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